【2026年版】生成AI使い分けガイド:Web・CLI・エージェント型の決定的な違いとエンジニアの最適解
かつて生成AIは「ブラウザの中で対話するもの」でしたが、2026年現在、その常識は過去のものとなりました。現在は**「ブラウザ(Web版)」と「ローカル環境(CLI/デスクトップ)」、そして新たに台頭した「エージェント型」**の三極化が進んでいます。
本記事では、システムエンジニアの視点から、Gemini / Claude / Copilot のWeb版と、Claude Code / Codex をはじめとするローカルツールの役割の違い、そして具体的な使い分けの最適解を解説します。
1. なぜ「使い分け」が必要なのか?
結論から言うと、「AIに渡すべきコンテキスト(文脈)」の種類が異なるからです。
- Web版: インターネット上の膨大な知識が必要な「広範なリサーチ」
- ローカル版: プロジェクトのファイル構成やログ情報が必要な「実装と修正」
この境界線を理解せずにすべてをWeb版で済ませようとすると、毎回コードをコピペする手間が発生し、生産性が上がりません。逆に、すべてをIDE内で完結させようとすると、アーキテクチャの全体像を見失うことがあります。
2. Web版生成AI:思考の壁打ちと設計
(Gemini Advanced, Claude.ai, Microsoft Copilot)
ブラウザ版は依然として、プロジェクトの初期段階やドキュメント作成において最強のツールです。
主な用途
- 技術選定のブレインストーミング
- 要件定義書からの仕様書作成
- 最新のAPIドキュメントの検索と要約
【事例】Android開発の技術選定
例えば、新規アプリ開発で技術スタックを迷っている時。
「Kotlinで新規Androidアプリを作ります。現在のチームスキルはJavaがメインです。学習コストと将来性を天秤にかけ、XMLベースのUIかJetpack Composeか、あるいはKMP(Kotlin Multiplatform)を導入すべきか、メリット・デメリットを表で比較して」
このように、正解のない問いに対して多角的な視点を得るには、Web版の広範な知識と推論能力が不可欠です。
3. ローカル・ツール:実行環境との同期
(GitHub Copilot, Gemini CLI, Claude Desktop)
エンジニアの本番環境であるターミナルやIDEに統合されたツール群です。
主な用途
- コーディング中のリアルタイム補完(Copilot)
- ログ解析とデバッグ(CLI)
- PC操作の自動化(Desktop)
【事例】Go言語でのサーバーレス開発(Gemini CLI)
ターミナルでサーバーレス関数のログを確認中にエラーが出たとします。ブラウザを開く必要はありません。
Bash
# CloudWatchのログをパイプでGeminiに渡し、原因を特定させる
aws logs get-log-events --log-group-name /aws/lambda/my-func | gemini "このログのエラー原因と、Go言語での修正案を提示して"
このように、「今の作業環境」から一歩も動かずにAIの知見を借りるのがローカルツールの真骨頂です。
4. 次世代「エージェント型」の衝撃:Claude Code vs Codex
2026年の最大のトレンドは、単なる「提案」を超えて「実行」まで行うエージェント型AIです。
Claude Code(エージェント型CLI)
Claude Codeは、ターミナル上で動作する「自律型エンジニア」です。
従来のCopilotが「カーソル位置のコードを補完する」のに対し、Claude Codeは**「プロジェクト全体を理解し、ファイルを編集し、テストを通す」**までを行います。
- 違い: 「この関数を直して」と指示すると、関連する複数のファイルを修正し、テストコマンド(
go test ./...等)を実行。エラーが出れば自ら修正してGitコミットまで行います。 - 最適解: 大規模なリファクタリング、ライブラリのバージョンアップ作業。
OpenAI Codex(デスクトップ・オーケストレーション)
デスクトップアプリとして進化したCodexは、複数のAIエージェントを束ねる「管制塔」です。
- 違い: バックエンド(Go)とフロントエンド(React/TypeScript)の整合性を保ちながら、複数のリポジトリを同時に監視・修正提案を行うなど、マルチタスク管理に優れています。
- 最適解: マイクロサービス間のインターフェース調整、システム全体の整合性チェック。
5. 比較まとめ:2026年のエンジニアの武器庫
| カテゴリ | ツール名 | 役割 | 強み |
| Web | Claude.ai / Gemini | 参謀・設計 | 圧倒的な文脈理解と、最新情報の検索 |
| IDE | GitHub Copilot | 右腕・実装 | 思考を止めない爆速のコード補完 |
| CLI | Claude Code | 実働部隊 | ファイル操作、コマンド実行、自律的な修正 |
| App | Codex | 司令塔 | 複数エージェントの指揮、プロジェクト間調整 |
6. コストとプライバシーの注意点
ローカルツールの導入にあたり、見落としがちなのが「コスト」と「セキュリティ」です。
- 従量課金のリスク: Claude Codeなどのエージェント型はAPI従量課金となるケースが多く、大規模なリポジトリをすべて読み込ませるとコストが嵩む可能性があります。
.gitignoreのように読み込み除外設定を適切に行うことが、エンジニアの新たなスキルとなります。 - データプライバシー: 企業での利用の際は、Zero Data Retention(学習データとして利用しない設定)が適用されるエンタープライズプランやAPI利用が必須です。
7. まとめ
2026年、エンジニアは「コードを書く」時間よりも、「AIにどのコンテキストを渡して、どのツールで実行させるか」を判断する指揮官としての能力が問われています。
- 迷ったら Web で相談する。
- 書くときは IDE で補完させる。
- 直すときは Claude Code に任せる。
まずは手元のターミナルで、CLIツールを一つ導入してみることから始めてみてはいかがでしょうか。





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